問われている式の中に絶対値記号が3箇所もあることが大変そうに見える原因ですが、
これを要領よくはずす方法は無いものでしょうか?両辺を2乗して同値変形、というのも
ひとつの手ですが、計算の達者な人以外は時間がかかりそうです。実はこういう場合
時折うまくいく方法があります。それは
「|a - b| は(数直線上での) a と b の距離」
という当たり前な認識を用いることです。これを用いると、
|x - z| は x と z の距離
|x| = |x - 0| は x と 0 の距離
|z| = |z - 0| は z と 0 の距離
ですから、問われている式は
(x と z の距離) + (x と 0 の距離) = (z と 0
の距離)
であり、ちょっと図を描いて見れば、これは x が 0 と z の間(両端含む)にあるという意味
だということがわかります。従ってわれわれは
「x が 0 と z の間(両端含む)にあるか?」
という問いかけに答えられるか否かを判断すればよいわけです。
さて、前文の条件は
(x - z) y > 0, xy < 0
と変形できますから、(1)を仮定すると
x - z > 0, (x - z) y > 0, xy <
0
であり、ここから z < x < 0 が容易に得られて yes
と答えられます。
また(2)を仮定すると
(x - z) y > 0, xy < 0, y >
0
であり、ここからも z < x < 0 が容易に得られて yes
と答えられます。
よって答えはD。