わかりにくい条件(1)を書き直すことからはじめましょう。f = 30!ですから(1)は
「10^dは30!を割り切る」、
言い換えれば
「30!は10でd回割り切れる」
ということです。よって30!が10で割り切れる最大回数をNとすれば、(1)は
「dはN以下」
と簡単にかけます。さてNの値は何でしょうか?10は素数2と素数5の積ですから、
30!の素因数分解の中に2と5が何個ずつ含まれるかが鍵になります。
5の個数: 30を5で割った商は6、5^2 = 25で割った商は1、5^3 = 125で割った商
は0だから、1,................,30の中に5の倍数は6個、5^2の倍数は1個あり、5^3の倍数
はない。よって1,................,30の積、即ち30!、の素因数分解中には5が6 + 1 = 7個
ある。
2の個数: 30を2で割った商は15、2^2 = 4で割った商は7、2^3 = 8で割った商は
3、2^4 = 16で割った商は1、2^5 = 32で割った商は0だから、1,................,30の中に2
の倍数は15個、2^2の倍数は7個、2^3の倍数は3個、2^4の倍数は1個あり、2^5
の倍数はない。よって1,................,30の積、即ち30!、の素因数分解中には2が15 +
7 + 3 + 1 = 26個ある。
というわけで、30!を10 = 2 x 5で何回も割っていくと7回までは割り切れる(30!の素因
数分解中に2も5も7個以上あるから)が8回は割り切れない(30!の素因数分解中に
5が7個しかないから)ということ、即ちN = 7であることが分かりました。
註:おわかりのように実際には2の個数を正確に求める必要は無く、ただそれが5の個
数以上であることがいえればよかったわけです。
以上の考察により、(1)は
「dは7以下」
と書き直せることが分かりましたので、
(1)のみを仮定するとd = 1,2,3,4,5,6,7、
(2)のみを仮定するとd =
7,8,9,10,11,12,......................、
(1) and (2)を仮定するとd = 7、
よって答えはC。